試行面会って全く理解できない。実の子供に会うのに裁判所に行くなんて

離婚関連

「試行面会」という摩訶不思議な四文字熟語を聞いてすぐに分かる人はいないであろう。文字通り試しに会わせてみるかというものなのだが、全くもって理解が出来ない出来事だった。詳しく説明したい。

調査官という「家裁の人」が担当につく

毎月1回の調停に家裁に行く。先方からは「婚姻費用調停」と「離婚調停」を請求し、私の方は何か月経っても会わせてもらえないので「面会交流調停」というものを請求する。常に3つの調停が同時並行で進むのだが、双方が強く望んでいるものが違うのだから調整出来る訳がない。月日だけはどんどん過ぎていくのだ。そんな中、面会交流調停を続けていくと裁判所は調査官という担当者をつける。調査官とは昔ドラマのタイトルにもなった「家裁の人」というやつだ。私の担当官は30代くらいの若めの女性だった。私はDV夫でもないし、親子関係は何の問題もなく過ごしていたのに、子供を連れ去れたら瞬間からまるで容疑者のような扱いに代わってしまう。
妻側は調停員に対して「子供達が会いたくないと言っています」と伝えるので、私は「子供たちが会いたくないようなひどい親」ということになってしまう。完全なる連れ去り勝ちの最初の現象である。本当に子供達が会いたくないのか調べないといけないということで、調査官がつくのである。
その調査官は子供達に質問をするために家裁に呼んでヒアリングするというのだ。これは妻の意思もあるのかもしれないが、当時小学4年と中学2年の子供を裁判所に呼んで「お父さんはどんな人? お父さんと会いたい?」と聞くというのだ。考えられない暴挙に近い。
調査官調査が終わると子供達へのヒアリングメモが調書のような形で私にも共有される。そしてそれを裁判官も見て、「問題なし」となると裁判所にて「試行面会」が実施されるのだ。

試行面会当日。実の子供と裁判所のキッズルームで会うという屈辱

裁判官から「調査官調査の結果、会ってもよし」となると、家庭裁判所内にあるキッズルームと言われる子供がリラックスできるような玩具などが沢山置いてある部屋で会えることになる。そこには大きな鏡が壁にあり、それはテレビドラマに出てくるようなマジックミラーとなっており、逆側に妻や弁護士や裁判所の人間たちが観察している。もう一度言うが実の子供と会うのに他人の監視の上に、裁判所内で会うのだ。しかも私の場合は、連れ去りされてから11か月後の事であった。
こんな嘘みたいな話があっていいのであろうか。数か月ぶり会うのだが、普段と全く違う環境で久しぶりに会うと完全にぎこちない。緊張もする。当然嬉しくもある。上の子とは握手をし、下の子は大きく上まで高い高いのように抱いて持ち上げた。そんな始まりだった。

終始和やかに会話し、野球盤などのゲームを一緒にやって楽しんだ

最初はぎこちない雰囲気だったが、だんたん会話を始めるとお互い慣れてきて、色々な話が始まった。後半の方は色々なゲームを一緒にやったりして和やかな時間を過ごした。特に野球盤では攻守入れ替わったりして、ストライクだの、ホームランだのと盛り上がった。とても楽しい時間だった。
1時間ちょっとだったろうか、試行面会が終わって控室に帰ると自分の担当弁護士から妙なことを言われた。

試行面会上手くいって良かったですね。ただ、逆にいくかもですね・・

自分の弁護士から「逆にいくかもしれませんね」と言われ、何のことか分からなかった。説明を求めると弁護士はこう言った。
「あれだけ親子仲がいいと連れ去った妻は親権を取られるのでないかと焦燥し、逆に父親に会わせなくなるんですよ・・そうならないといいのですが。奥さん、苦虫を潰したような表情してましたから」
確かに親子仲もよく楽しく過ごした。これがいけないとは全く思えない。しかし現実にはそうなっていった。またそこから中々会えない日々が続く事になるのだ。弁護士の予言は当たることになるのだ。

まとめ

実の子供と会うのに試行面会という理解できない言葉がある。
調査官という家裁の人が付き、子供の心情を調査する。
子供と会えるといっても裁判所内のキッズルームでしか会えない。
会って、めちゃくちゃ仲がいいと妻は子供たちを父から遠ざけるようになる。
これが子供の連れ去りが「誘拐」と呼ばれる所以だ。一度連れ去られたら、先方の思い通りに進んでしまうのだ。納得はいかないが「面会交流調停」を続け、裁判官に訴えていくしか方法がないのである。つづく。

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